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無限 |
PDF |無限| 無限というのは、往々にして扱いづらいが数学ではなくてはならない概念である。なんとなく人の頭の中にはイメージができているが、実際に具体的に言えといわれても窮してしまう、そんなものではなかろうか。ひとついえるのは、とにかくでっかい数、どんな数よりも大きい数という表現は正確でない。正確ではないが、ここではそういうイメージで話してしまう。 身近で無限になるものというとなかなか探すのは難しい。人間、というかこの世界自体有限だからである。それでも一番身近なものは「数」であろう。数は無限にある、というのは小学生でも理解できそうな話である。 しかし、数と一口に言っても色々ある。まず小学生で習うのは、1、2、3、……という指で数えていく『自然数』というやつである。中学生なってマイナスを習うと『整数』という範囲に拡張される。分数、小数なんかも考えると『有理数』を考えることになり、さらに中学3年生でルートを習うと『実数』、高校生で虚数を学べば『複素数』という数を考えることになる。集合論的に言えば、 『自然数』 ⊂ 『整数』 ⊂ 『有理数』 ⊂ 『実数』 ⊂ 『複素数』 ⊂ …… という具合に自然数は整数の一部に、整数は有理数の一部に、という状況になっている。このとき、普通なら 自然数の個数<整数の個数<有理数の個数<実数の個数<…… となっていくはずなのだが、どうもそうではないらしい。実際には、 自然数の個数=整数の個数=有理数の個数<実数の個数 という具合なのだ。これはこれらの数の個数は無限にあるからこういう事態が起こるのだが、そうならば無限にも大小関係があるということである。さて、小さい無限、大きい無限とはどういう意味なのだろうか。 |