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レンズ空間


 3次元閉多様体の中でもレンズ空間というものが、色々な用途があって面白い。簡単に言えば、3次元球面S^3をZpで割ったものなのだが、正確にはL(p,q)と二つの互いに素の整数p,qによって定義される。例えば、L(2,1)は3次元射影空間である。

 レンズ空間を構成する方法は色々ある。基本的には3次元球面の商空間として定義する方法、2つのSolid torusの表面を標準的なmeridianを(p,q)-torus knotに移す同相写像で張り合わせたもの、Dehn-surgeryを用いたもの、S^3上の分岐被覆として構成するもの、などである。

 レンズ空間の基本群はprojection S^3→L(p,q)がfiberがZ_pであるようなcovering spaceであるので、Z_pであり、整数係数のhomology群は3次元多様体なので、n=0,3のところだけZでn>3は0、n=1は基本群のabel化で同じくZ_p、n=2のところは普遍係数定理と多様体の双対定理を使えば0であることがわかる。

 Knotなどを考える際にはS^3内で考える事が多いので、レンズ空間を考える事がよくあるらしい。