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多様体とは簡単に言うと局所的にユークリッド空間である空間のことである。その局所的に見た場合のユークリッド空間の成分たちを座標近傍と呼ぶ。多様体はこの座標近傍を用いることにより、ユークリッド空間同様の議論や表記が可能となる反面、どの座標近傍を取ってもその定義や定理の正当性を説明する必要がある。 その座標近傍の変換を考えた際に、その滑らかさによって可微分多様体の概念が定義できる。微分可能性を考慮することにより、多様体の議論の幅が大きく広がる。例えば、接空間やベクトル場、微分形式などは多様体を解析するうえで重要である。中でも、多様体上の関数を用いて、元の多様体の情報を拾いだそうとするのがMorse理論である。Morse関数を用いて、多様体のBetti数、Euler標数、ホモロジー群、ホモトピー型などの用法を得ることができる。また、微分形式を用いたde-Rham複体から構成されるde-Rhamホモロジーなどもある。 滑らかさを考慮せずに、位相的な構造からだけでも様々なことが導かれる。特に多様体の(コ)ホモロジー群においては、Poincare双対性というものが有名である。 多様体の本というのはかなり多くあるが、その大半は微分幾何で用いるような微分多様体として定義してあるのが普通である。例えば松本の「多様体の基礎」【松本05】や服部の【服部89】なんかが有名。空間的な視点でホモロジーとの観点で言えば、中岡の「ホモロジー論」 【中岡99】 なんかが良いし、英語ですがP.Mayの本【Ma99】にも双対定理までの流れが載っている。
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