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トーリック多様体


 トーラス群の作用を備えた多様体で、その軌道がsimple polytopeという凸多面体になっているものを準トーリック多様体と呼ぶ。DavisとJanuszkiewiczによって導入された【DJ91】。彼らはこの多様体を組み合わせ論的に再構成する方法を考えた。具体的には、そのsimple polytopeとトーラスの積をある同値関係で割ったものである。
 バリエーションとしては基礎体を実数で考えるか、複素数で考えるかでわかれるが本質的な部分は同じである。実数の場合にsmall coverと呼ばれたりもする。実数の場合にはZ_2が、複素数の場合にはS^1、がトーラス群のメインである。これらはそれぞれ、実数・複素数に標準的な作用を持っている。その軌道空間はどちらも非負実数となり、原点が唯一の不動点である。

 同様にトーラス多様体は大阪市立大学の桝田氏によって扇(fan)と呼ばれる組み合わせ論的対象により分類される。