トポロジーとはトップ

わかりやすいトポロジー解説


 2007年の10月ごろに、NHKで「数学者はきのこ狩りの夢を見る」という番組が放送されました。これはつい最近解決された世紀の難問ポワンカレ予想をめぐるお話なんですが、その流れの中でトポロジーをわかりやすく説明してくれています。トポロジーは図形のお話ですので、絵にかいてみると直感的に理解できるところがうれしいですね。特にこういったCGを使った映像は視覚的に見やすいです。
 NHKのオンデマンド(http://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2011027278SA000/)で視聴できますので、興味がある方はぜひとも見てみてください。

 せっかくですのでポワンカレ予想について少し。この問題は、1904年に数学者アンリ・ポワンカレによって提唱されたトポロジーの予想である。2000年にアメリカの数学研究所が7つのミレニアム問題を提唱し、解決者には1億円もの報奨金を支払うと発表しましたが、その中の一つです。2006年に数学者ペレルマンによって解決されました。トポロジーの問題と言いましたが、その証明には微分幾何や物理の手法が多く使われたようで、トポロジストには証明を読むことすら困難だとか。
 その功績をたたえてペレルマン氏には、数学のノーベル賞ことフィールズ賞が授与される運びになったわけですが、本人がまさかの辞退。それ以後も数学の世界から姿を消し、消息も不明という曰くつきの問題です。

 ポワンカレ予想を、専門家の批判を恐れずに簡単に述べると次のようなことだと思います。

「ある図形が箱の中に入っているが、どこからどう見ても球である。手触りは丸いし、中は空洞のようだし、影を見ても、赤外線でみても、サーモグラフィで見ても球のようにしか見えない。では本当に球なのか?」

 この問題は球の次元も関わっていて、2次元までならとても簡単。そしてここが不思議なのですが、5次元以上の球に対しては早くに解決されていたんです。高次元だと簡単になることが往々にしてあるんです。で、4次元球面の場合も1981年にフリードマンによって解決された。なぜか途方もなく難しかったのが、3次元で、これをようやくペレルマンが解決したというお話です。