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Fiberwise topology


 Homotopy論では主に基点つき空間を対象にして議論する事が多い。基点つき空間とは、Commma categoryで考えればTOP↓*である。これを一点空間をもっと一般的な空間Bに拡張して、TOP↓Bでhomotopy論を展開するのがFiberwiseという世界である。fiberwise fibrationやfiberwise cofibrationもcomma categoryでのlift propatyにより定義される。fiberwise homotopyに関してもすべて、comma categoryの話で収めるならば、位相空間で言うIに相当するのがB上のfiberwise spaceではB×Iである。無論第一成分への射影がprojectionであるが。これによりXのcylinderに対応するものは、XとB×IのB上のfiber productである。とはいえ、これは空間レベルではX×IとHomeoである。
 Fiberwise spaceでsectionが指定されているものをFiberwise pointed spaceと呼ぶ。例えばベクトル束なんかは0-sectionがあるのでFiberwise pointed spaceである。なぜ、pointedという言葉が使われているかというと、Fiberwise space自体がbase spaceのBの各点bにおけるfiberという部分空間X_bの集まりと考えるとき、Fiberwise pointed spaceにはsectionのsにより、(X_b,s(b))と基点つき空間の集まりと考えられるからであろう。もちろん底空間が一点なら、Fiberwise pointedである。
 とりわけfiberwise spaceで注意すべきはfiberwise productである。coproductは通常の空間と大差ない。そして、productを考えたからにはそのadjointであるfiberwise mapping spaceという考えにいたる。ここで注意すべきは、このmapping spaceはfibrwise mapの集合にcompact-open topologyを入れたものではないということである。mapping spaceもfiberwise spaceと考えるためには、total spaceのmapではなく各fiber間の写像の集合にfiberwise compact-open topologyという位相を入れる必要がある。

 Crabb-Jamesの【CJ98】がとてもわかりやすい。
 fiberwise spaceのcategoryには位相空間のcomma categoryとしてのmodel structure、つまりtotal space上で空間としての(co)fibration、weak equivalenceが考えられるが、それ以外にも色々と考えられるらしい。上で言ったfiberwise (co)fibration、homotopy equivalenceを考えることもできるだろうし、各fiber上で空間としての(co)fibration、weak equivalenceという考えもある。MayとSigurdssonは【MS04】で200ページにもわたり、様々なmodel structureを定義している。彼らはEx-spaceなどと呼んでいるが。