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Braid群


 Braid(組みひも)群と呼ばれるそれは概念的には対称群に良く似ている。一つ大きく違うのは、対称群の生成元は2つの元の互換であり、これは2回施すと元に戻る。つまり、σ^2=1であり、σ^-1=σなのである。たいしてBraid群はそうはならない。組みひも群は文字どおり、ひも(string)を元とし、そのねじれ具合を勘案する。2本ぐらいで考えれば、
          

というようなものが元である。積は始点と終点を繋ぐ事によって得られ、上の図の左側のねじれの無い形が単位元である。このとき注目したいのは右側の元だが、これは左の紐が右の紐の上を通過していることを示している。これを2回繰り返すと、点の位置的には元に戻るのだが紐の状態を見てみるとねじれてしまって、単位元にはならない事がわかる。

 Braid群の教科書としては【KT08】 なんかがよい気がする。一般的に組みひも群はn個の生成元にbraid relationを与えた群B_nとして定義される。この意味では対称群Σ_nもbraid relationを満たす。組みひも群に、さらにσ^2=1のrelationを加えたものが対称群である。よって、B_n→Σ_nという全射準同型があるのだが、このkernelのことをpure braid群と呼ぶ。

 Braid群はもちろんstring topologyやknot theoryと深く関わってくる。
 他にはhyperplene arrangementで最も基本的なbraid arrangementがあるが、この名で呼ばれる理由としては、このcomplementの空間の基本群が組みひも群だからである【OT】