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ルート系とワイル群


 ルート系というのは一般的に言えば、内積を持つベクトル空間Vに対して、V-0の有限部分集合Δで、a ∈V-0における鏡映(reflection)と呼ばれる写像 w_a : V → V を、

             

と定義するとき、Δにおいて閉じている。つまり、a ∈Δに対して、w_a(Δ)=Δとなることと、上の写像における係数に関して、a,b∈Δならば、

                     

となる事である。このΔをVのルート系と呼び、Δの元をルートと呼ぶ。始めの条件は鏡映、つまりルートに対して対称なルートはまたルートであるという事。二番目の条件は、ルート同士の位置関係を示している。さらに、

                 

という条件を満たすとき、Δはreducedであるという。身近な一般線形リー群のルート系などはすべてreducedである。

 というより、一般論から考えるよりは具体的にSO(n)やSU(n)、Sp(n)などの具体的な話から入っていったほうが良いかもしれない。松木の「リー群入門」【8】は具体的な線形リー群で計算して、後に一般化の話をつづってある。