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Spectral列


 PDF |スペクトル列

 chain complexの一般を考えます。chain complexでは添字が1次元の次数付き加群を考えました。これにより直線的な列の表示ができるのです。
 2重複体では添え字が二つ。つまり、平面状の格子に配置されていると思えばよいです。整数の組(p,q)に対して加群が与えられるわけです。p+q=nとなるものすべての直和をとれば、普通のchain complexとなる。

スペクトル列の定義は煩雑です。というのも、スペクトル列は2重複体の集まりである。
ということはつまり、2重複体の添字2つに対して、さらにもうひとつ添字が増えることになる。こうなるともうかなり混乱する。

ただ、boundaryに次数が設定されてますので、一般の2重複体よりは扱いやすい感はあります。2重複体の始めから丁寧に日本語で解説してあるのは、【西田85】、あとは、【加藤03】にも書いてある。洋書での有名どころといえば、【Mcl00】である。
 おおよそ、スペクトル列を扱うのはchain complexにfiltrationが入っているときなどである。このとき、filtrationの添え字、それから各subchain complex(relative)でのhomologyの次元の添え字で2重複体ができ、元のchain compleのhomologyを計算するのに役立つ。その際、重要となるのはスペクトル列の収束性である。つまりは、考えるfiltrationが良いfiltrationかという事である。