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Poset


 Partially ordered set、略してposetである。集合論で扱うのかもしれないが、捕らえ方として、その集合をobject、順序があった際にHomが小さい方から大きい方へ1本だけ存在するようなsmall categoryとして考える方法がある。posetはcategoryとしてはとても特別なもので、まずendmorphismが一つしかなく、Homが存在すれば逆が無いという事で、一方方向へ向かうようなcategory、acyclic categoryである。さらに、Homが2本以上ないということは、合成を考える必要がほぼない。このことからposetの分類空間は単体がつぶれたりしないので、simplicial complexである。small categoryの一種ということで、分類空間においてはQuillen's theorem Aが有効であり、poset versionについては【Bar10】が詳しい。
 どんなsmall small categoryも重心細分【Hoy08】でacyclic category、もう一回施す事でposetを構成することができ、分類空間のhomotopy typeを変えない。また、Thomasonのmodel structureにおけるcofibrant objectはすべてposetである【Tho80】
 Topological poset(名前的にはpospaceとか方が良い気がするが)やsimplcial posetなんかも考えられているらしい。

 Posetと関連の深い空間はAlexandroff spaceである。これは、任意のopen setのintersectionがまたopen setになる空間である。PosetのcategoryとAlexandroff spaceのcategoryはequivalentである。【Kuk09】ではそのhomotopy typeについての考察がある。poset上のbundleと言うものも空間との対応を考えると考える事ができるらしい【RRV07】

 有限のposetのホモトピー論としては,ホモとピー型を変えずに特別な点(beat point, weak beat point)を消去していく方法がある。これは分類空間(order complex)を取った単体複体でのstrong homtoopyあるいは,simple homotopyの理論に対応している。Stongは,有限posetのホモトピー型は,そのcoreによって完全に分類できることを示した。

 Poset Pから、{0<1}へのposet map全体P^*はまたposetと考えられるが、0,1へのconstant mapを最小限、最大限としてcomplete latticeと考える事ができる。逆にcomplete lattice Lから{0<1}へのlattice map全体L^*はposetと考えられ、P^**=Pという双対関係にあることを【Zap00】で述べられている。