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同変(コ)ホモロジー


 位相群Gが空間Xに作用しているとき、群の作用もこめたXの位相不変量、ここでは(コ)ホモロジーをどう考えるか。

 代数の世界では群の作用があれば、割ってみたくなるのが常である。しかし、topologyの世界では往々にしてquotientを取る事に弊害がでる場合が多い。つまり、X/Gというorbit space、ないしその(コ)ホモロジーを考えるのは不都合があるというのである。それは例えば、S^1のS^2へのactionをz軸を基軸とした回転として考えたとき、この軌道空間S^2/S^1は北極から南極への1本の線分となる。これは可縮なので、位相情報としては元のS^2すらどこかへ行ってしまった。

 そこで、quotientではなくhomotopy quotient(homotopy colimit)を考えるべきというのが一つのアイデアである。つまり、Gを一つのobjectからなるtopological categoryと思ったとき、作用は空間のcategoryへの連続なfunctorと考えられて、そのhomotopy colimitである。Borel constructionとも呼ばれ、X×_{G}EGと書くこともあるし、bar side constructionでB(X,G,*)と表記される場合もある。K.Hessは自由ループ空間LXの自然なS^1作用によるhomotopy quotientの代数的なモデルとして、chain complex hos(X)を構成している【Hes06】
 Gの作用がfreeの場合はX×_{G}EG=X/Gとなる。このhomotopy colimitの(コ)ホモロジーをG-equivariant (co)homologyと呼ぶ。

             

 例えば、X=*の場合には、H_*^G(X)=H_*(BG)となるので、Gの情報もきちんと拾っていることがわかる。計算方法に関しては基本的には、

               

のfibrationがあるから、Serre spectral sequenceを使えば原理的にXとBGのhomologyから計算できそうである。また、BGのhomologyについては、【DH01】なんかにその計算方法がある。
 Separable groupがactした群のequivariant (co)homologyを計算している人もいる【Ina06】