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有理ホモトピー論


 空間Xにおけるrationalな情報、つまり、  や、  などを調べるため有理ホモトピー論という考えが、Sullivan、そしてQuillenによって始められた。現在では有理ホモトピー論の教科書的なものは、【FHT01】であるが、Hessによる解説【Hes04】も見てみるとよい。Hessはこの中で、有理ホモトピー論とは空間の有理ホモトピー型やその空間、写像をRational equivalentの元で調べる事だといっている。つまり、局所化した空間X_0で考えるという事である。
 単連結な空間の場合には、その有理ホモトピー型は代数的なモデルで扱う事ができる。有名なのはcommutative DGAを用いたSullivan modelと、DGLを用いたQuiilen modelである。
 Sullivan modelはDGAであるので、S^*(X)というsingular DGAが思い浮かぶが、残念ながらこれは可換ではない。これに近い形でCDGAを構成する。functorで考えると、
          
           

と考える事ができて、adjoint、もっと言えば、さらに条件を付ける事により、双方のcategoryに適当なmodel structureを入れる事でQuillen equivalenceとなる。ただし、空間のweak equivalenceはrational equivalence、CDGAのweak equivalenceはquasi isomorphismである。このように、Model category的な見方をしているのは、【BG76】であり、日本語の入門的な解説としては【Kag04】がわかりやすい。
 単連結な空間Aにおけるmapping space functor Map(A,-)がlocalization functorとある種の可換性を満たすには、Aが球面のwedgeのrational homotopy typeを持つ事が必要らしい【BD08】

 空間が単連結で無い場合にも、いろいろと考えられている。【THT00】【Mor08】。後者の方はDG categoryを用いて考えている。