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Operad


 PDF |May's operad|Markl's operad|

 Operadという言葉は1970年代にMayが【May72】の中で使ったのが始まりと言われているが、概念自体はさらに昔からあったようだ。Mayの定義は空間列とmap、対称群の作用などの情報から構成されているが、現在ではAdamsやBoardmanらが一般のmonoidal categoryにおけるoperadを定義している。どうやら、【Ma06】によると、MayによるoperadのcategoryとMarklのoperadのcategoryはequivalenceになるらしい。

 Operadとは何か?という問いに真っ向から答えているJ.Stasheffによる「What is」シリーズもある。彼とあとM.MarklそしてS.Shniderの著書【SMS02】がoperadを勉強するのにお勧めである。

 Operadの一番典型的なのはendomorphism operadというもので大体の本では、この例を参照にしてoperadを定義してある。これは一般にはclasedなsymmetric monoidal category、つまりHomがまたもとのcategoryのobjectになっているときに定義できる。集合、空間、DGMなどはこれを満たす。あとはtree operadやlittle cube operadなどは図に描いてみるとわかりやすい。
 A-infinity conditionを記述するのにはassociahedraという多面体から構成されるoperadを考えるが、これはtree operadで考えて見ると楽らしい。つまるところ、treeを少し変形して、位置関係から順序を考えposetとしてみたとき、その分類空間がassociahedraに現れる多面体と考えるべきだという。
 「サボテンoperad」なんていうものもある。「棘の無いサボテンoperad」というネーミングだけは非常に気になる。

 Berger-Moerdijk は【BM02】でSymmetric monoidal categoryのoperadの圏のモデル構造についても考えている。それ以前にHinichが【Hi99】でchain complexのcategoryで考察している。さらにはそこから、Operad上のalgebra、moduleのcategoryのmodel structureも考えられる。【Kr07】【Sp01】【Fr07】
 Operadの作用を受けるobjectをOperad上のalgbraと呼ぶ。別の言い方をすれば、Operadからそのobjectのendmorphism operadへのoperadのmorphismが存在するときと、言い換えられる。Assというassociative operad上のalgebraが通常の意味でのmonoid、Associahedra operad上のalgebraはA-infty spaceと呼ばれるものであり、Littele n-cube operad上のalgebraはちょうどn-fold loop spaceとなるらしい。最後についてはMayの原文が詳しい、というよりMayは多重ループ空間の構造を調べるためにoperadを考え出した。
 
 Operadの概念を広げたものとして、PropやColored operadと呼ばれるものがある。Colored operad、あるいはmulti categoryと呼ばれるものは入力を複数にしたoperadという具合で、small categoryとoperadの一般化である。one object(simple color)のColored operadが通常のoperad、また2個以上のinputをφとすれば、small categoryの意味になっている、というより一般のmonoidal categoryでのcolor operadならenriched small categoryを表している。呼び方が様々で、colored operad、multi category、operad with many sorcesなどと呼ばれる。operad上のmoduleや、operad上のalgebraの間のmorphismなどは、【BM05】によるとcolored operad上のalgebraとして表せるらしい。Colored operadのcatgeoryのmodel structureとしては、【St08】で考えられている。
 Small category同様、Colored operadのnerveというものも考案されている【MW07】。これはdendoroidal setというものになり、Kanのlifting propertyなどもsimplicialと同様に考えられる。
 さらにmulticategoryの一般化でfc-multicategoryというものをLeinsterが考えている【Lei99】。これはoperad+2-categoryといった雰囲気のようである。これを用いるとbimodule、そしてenriched categoryの記述ができるという。【Lei02】によるとhigher categoryを記述するのにも使えるという。
 n-fold monoidal categoryにおけるn-fold operadというものを考えている人もいる【FSS07】。