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Leray-Serre spectral sequence


 PDF |基点の変換認容写像Serre spectral列
 
 前節で(コ)ホモロジースペクトル列というものから、帰納的にホモロジー群を計算できるという話題があった。

  

というもので、ここから原理的にはE^nを計算していってH_*(X,A;M)にたどり着こうというものだったが、現実的にはE^2を求めることすら結構困難である。そこでfibrationを考える。条件のよいfibrationにおいてはE^2項が計算可能になる。

 Leray-Serre spectral列(あるいは単にSerre spectral列)というのは底空間がCW複体であるようなfibration F → E → Bを考えたとき、底空間のskelton filterから全空間のfilterを導入する事ができ、ここからEのspectral列を考えることができる。すると、

             

となるため、さらに条件がよければ、普遍係数定理からH(B)とH(F)のテンソル積であらわせる。つまり、fibrationがあったとき、fiberとbaseのhomologyからtotal spaceのhomologyを計算しようというのがLeray-Serre spectral sequenceである。例えば、path loop fibrationを使ってloop spaceのhomologyや、Lie群のfibration(bundle) SU(n) → SU(n)/SU(n-1)=S^nなどで、SU(n)のhomologyなんかを計算できる。Leray Serre spectral sequenceについては、様々な書き方があって、日本語では【西田85】なんかがよい気がする。【Mc00】なんかにも載っている。
 幾何学的実現を考えれば底空間がCWの仮定は本質的に不要で、一般のfibrationで定義できる。それにはまずfibrationをさらに考察しなければならず、CHPを用いてpath(loop)からファイバー間の写像を誘導する認容という考え、その双対としてHEPでpathからホモトピー群の基点を取り替える操作も知っておくと便利である。
 DuggerとIscksenはhyper coverからホモトピー極限を用いて元の空間を再構成している【DI01】 。このことから、fibrationにおけるcellの逆像から全空間のhyper coverを考えることができ、ホモトピー極限で再構成される。これはCech複体とも関係している。