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Nerve


 small categoryとsimplicial setの関係で一番基本となるのはnerve functor

               

である。このfunctorについては、categorization functorというleft adjoint
c : SSets → Catの存在と、cN=1となる事がわかっている。つまり、大雑把に言うとsmall categoryはsimplicial setの中に埋め込めるという事を示唆している。
 small categoryのnerveというsimplicial setはあるlift propatyをもつ。Kan complexのlift propatyとも似ているが、その双方を満たすようなものをquasicategoryと呼ぶ。【Mina08】。higer categoryにも応用される重要なsimplcial setである【Lur08】。またgroupoidは、そのnerveはKan complexになる事が必要十分であることが知られている【GJ99】
 通常のnerveが△を2-simpleとして採用しているとしたら、□を2-simpleとしてcubical setを考えることができる。Golasinskiらが考えているが、それもまたcubical setにおけるquasicategoryのようなものに対応しているようである。さらに○を2-simpleとすれば、cyclic setを得る。cyclic nerveと呼ばれるそれは、例えば【Dri03】なんかで考えられている。

 定義域がenriched categoryの場合のnerveというもの重要である。ただし、enrichといった場合にはobjectは集合なので、V-catのnerveというものがそのままVのsimplicial objectというわけではない。例えば、objectもmorphismも空間である位相圏については、そのnerveはsimplicial spaceとなる【西田85】【Seg68】。nerve定義域がsimplicial category(simplicial setでenrichされたcategory)やtopological category(位相空間がenrichしたcategory)である場合、simplicial nerve、topological nerveというnerveのhomotopy versionとも呼ぶべきものが、【Lur08】の前半で考えられている。