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超平面配置


 超平面配置の概念は恐ろしく単純で、ユークリッド空間内に余次元1の超平面が有限個存在している状況、ただそれだけである。このような状況だと、元の空間は超平面によって分割される。分割された一つ一つの空間をchamberと呼ぶ。【OT】では代数、組み合わせ論、トポロジーの視点からの基本的考察が解説してある。
 超平面配置を調べる、あるいは超平面配置を分類するとなるとどのような手法をとるか。本来ならその分割され具合、つまりどのchamberがどのように隣接しているかが重要なので、そこから構成されるintersection latticeやface posetという組み合わせ論的情報を考察する。
   
 トポロジーの視点からは、何個に分割されたか、つまり超平面の補集合のホモとピー型に着目する。実超平面配置の場合には、連結成分の個数を数えるぐらいしかないのだが。
 ところが、複素超平面配置はずっと複雑で、連結成分では終わらない。基本群の情報しかもたないK(π,1)となるものも多いが、反例もある。
 Salvettiは実超平面配置を複素化したものの補集合のホモとピー型を表す単体複体を【Sal87】の中で構成した。その基本群を調べるには被覆空間を調べることが有効だが、【Del04】ではhomotopy colimitを用いて構成している。