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Localization


 PDF |Verdier localization|Brown表現定理|Bousfield localization|
 
 Abelian categoryであるAのderived category D(A)を考える際に、chain complexのcategory C(A)のchain homotopy category K(A)を経由して構成することに面倒さを覚えたのは私だけか。本来ならC(A)から直接quasi isomorphism(weak equivalence)で局所化するというのがmodel categoryからみても簡単そうだ。
 しかし、D(A)のtriangulated構造を見る段階では、やはり先にK(A)を考えるべきだろう。D(A)のtriangleというのはK(A)のtriangleのK(A)→D(A)のimageだからだ。だが、Verdier localizationというのを考えた方がスマートそうである。これはtriangulated categoryであるCとそのfull sub triangulated categoryのDが与えられたとき、C/Dというtriangulated categoryを構成する方法だ。定義自身はunivarsal propertyによって定義されるが、具体的構成はA.Neemanの【Nee01】に書いてある。オリジナルのVerdierの論文はフランス語なので読みづらい。
 先の例でいくと、D(A)というのは、K(A)/{acyclic objects}と簡単にあらわせる。Triangulated categoryのVerdier loclizationとBousfield localizationについては、【Kra08】なんかを見ると良い。
 より一般にcategoryを局所化するという操作はよく行われる。大まかなイメージは、catgeory Cとそのsubcategory W(あるいはmorphismの部分集合)を考えたとき、Wのmorphismに形式的にinverceを付け加えるというのが局所化でC[W^{-1}]と表記される事がある。ただし、口で言えばそれだけなのだが、正確な定義は【Fri08】なんかを見ればよいと思うし、Drived categoryの構成におけるlocalizeは【GM03】、Model categoryのhomotopy categoryの構成におけるlocalizeは【Hov98】などを見るとよいと思う。また、Enriched categoryの場合のlocalizeについては、Simplicial categoryにおけるLocalizeは【DK80】【DK80'】に載っているし、DG categoryでも同じようにlocalizationが考えられていて、【Toe06】なんかを見るといい。
 
 似たような構成として、triangulated categoryのquotientがある。localizationと同じようにroofをmorphismとするのだが、分母のmorphismのmapping coneがその(thick)sub categoryに属するという定義である。DG categoryで言うところのDG quotient【Dri02】である。Neemanの【Nee01】によると、triangulated categoryのBrown representabilityにより、よい条件のtriangulated categoryとsub categoryにおいては、そのquotient functorのadjointが存在する。これを一般化したものが、Bousfield localizationである。Bousfield localizationの存在と、stable t-structureの存在は同値である。