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Stack


 PDF |SheafStack|Hollanderのモデル圏|

 Stackとは簡単にいえば、圏の層である。空間の層が、開集合からなるposetからの関手なのだから、空間を圏に置き換えても前層は定義はできそうである。Prestackの概念はそれほど難しくない。圏C上のprestackはsmall categoryのcategory、あるいはgroupoidのcategoryを値域に持つ関手である。

        

というものだが、実はこういう書き方をしながら、実際には関手よりもう少しlax functorと呼ばれるものである。これは、値域が2-categoryの構造を持つため、identityとcompositionをup to homotopyで保てばいいというものだ。【Tho79】ではlax functorとして後半に登場する。ここで重要なのはGrothndieck constructionがfunctorよりも弱いlax functorについても定義できるということである。
 Grothendieck constructionはsmall categoryを扱っているとあらゆるところで顔を出す。一般的にはtwo-sided bar constructionでも考えられる【DK08'】。ThomasonはこれをCatでのhomotopy colimitとして扱っている。というのもこのNerveがsimplicial setにおけるhomotopy colimitとweakly equivalentだからである【DH01】。categoryのdiagramとcomma categoryの関係に着目し、simplicial setとも関連づけ、simplicial presheafにも絡めてGrotendieck constructionからstackを考えているのは【Hol08】である。

 Presheafでfiberwise spaceと対比したように、prestackでも対比する対象がありそれが(pre)fibered categoryと呼ばれるものである。定義的にはほんとにfunctorのfiberといった感じである。

       

となるわけである。右側のfunctorがちょうどGrothenduieck constructionを考える事に対応している【GJ99】。Stack、prestackについては【KS05】のちょうど最後の章に書かれている。
 Stackはsheafのとき同様、prestackに複雑な張り合わせ条件を付けたものだが、これには空間でいうところの開被覆にあたる概念がないと定義できないため、Grothendieck topologyというものを考える。Hollanderはmodel categoryの視点からそれを捉えている。彼は【Hol01】で、prefibered categoryとほんとのfunctor categoryへの対応、

     

を考えた上で、(X,J)がsiteであるときGroupouidsのmodel structureからfunctor categoryをmodel categoryと考え、それをJを用いてlocalizeしたmodel categoryでのfibrant objectがstackであるということらしい。

 Topological stackというものもある。Noohiは【Noo07】でmoduli spaceのtopological stackのfundamental groupを計算している。